文学少女のお部屋

〜〜〜〜〜〜〜〜〜わたしはベーカー街の名探偵でも、安楽椅子に座って編み物をしながら事件を解決する物知りおばあさんでもないわ。ただの”文学少女”よ。〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ”文学少女” が大好きな頭の湧いた人間が、” 文学少女” をより知ってもらうために、ストーリーや登場人物の紹介や感想を綴っています。これを見て少しでも文学少女に興味を持っていただければ、私はうれしくて頭がおかしくなりそうです^^ ネタばれアリっていうか、 ”ネタばれが趣味”みたいなところがあるのでご注意ください。あと、ここに書いてあるのはあくまで一個人の感想であることを念頭に置いてお読みください。

 

そもそも「文学少女」って何???

基本情報

ライトノベルのシリーズ作品 作者:野村美月 イラスト:竹岡美穂 ジャンル:ミステリー恋愛


文学少女シリーズの特徴

 数多く存在するライトノベルの中でも、この文学少女シリーズの最大の特徴は ”各作品がある有名文学を題材にしている” ということです。

例えば、本編1作品目「文学少女と死にたがりの道化(ピエロ)()」の場合、「人間失格/太宰治」を題材にしていて、登場人物がこの「人間失格」に大きな影響を受けており

所々で「人間失格」のセリフが出たり、ストーリーもこれになぞらえてたりします。もちろん、この題材となっている文学作品を知らなくても、何の問題もなく読めます。

ちなみに私は、1回目は題材作品を読まずに、2回目は題材作品を読んでから読みました。

2回目はやはり登場人物への思い入れが違ってきます。題材作品はどれも有名文学なのでぜひお読みください。


おおまかなストーリー

主人公”井上心葉(このは)”は、ひょんなことで謎の天才覆面美少女作家(男なのに・・・)になってしまい、ある悲しい事件が起きてしまう・・・。

それがトラウマになり、心葉は作品を書くことをやめ、普通の高校生として生活する・・・。そして、そんな彼が、高校で出会ったのが、文学少女”天野遠子”・・・。

彼女は文学少女、文字通り、文学大好きな、1つ上の先輩・・・。ただ特別なのは、好きすぎて食べちゃうんです、文学作品を・・・。

遠子は、普通の食べ物を食べてもを感じない・・・、文学が食べ物・・・、そんな文学少女なんです。

そんな異色の2人が所属する・・・、というより2人しかいない文学部、そこに毎回、奇妙な依頼が飛び込む、そこから物語は始まる。

2人はその依頼をきっかけに、悲しい悲しい事件に遭遇していく・・・・。

遠子の天然ボケに心葉がツッこむ・・・、そんなコミカルな掛け合いとは対照的に、起きる事件の真相はダークなモノです。

嫉妬、憎悪、怒り、裏切り、・・・・人間が持ついろんな負の感情によって引き起こされる悲しい事件・・・その真相を2人がひも解いていきます。

物語が進むにつれて少しずつ、心葉の過去の真相、遠子の過去、遠子が持つ心葉に対する秘密、・・・・といったシリーズの核に迫ります。

すべてを知った2人は、お互いの信頼を裏切ることに・・・。”2人の秘められた関係”が物語のカギ・・・。


受賞記録

ライトノベルのランキングを毎年紹介するガイドブック「このライトノベルがすごい!」にて度々ランクインしています。


2007年・・・作品部門8位、表紙部門1位

2008年・・・作品部門3位

2009年・・・作品部門1位、女性キャラ部門1位(天野遠子)イラストレーター部門1位(竹岡美穂)

2010年・・・作品部門3位、女性キャラ部門2位、3位(天野遠子、琴吹ななせ)、イラストレーター部門1位(竹岡美穂)、男性部門キャラ7位(井上心葉)

2011年・・・作品部門6位、女性キャラ5位、10位(天野遠子、琴吹ななせ)、イラストレーター部門3位(竹岡美穂)


以上の通り2007年〜現在に至るまで数々ランクインしています。特に作品部門では5年連続TOP10入りという偉業を成し遂げています。

さらに2007年”ライトノベルアワード”ミステリー部門賞を受賞しました。

 

ライトノベル「文学少女」作品リスト

 ”文学少女”シリーズの原作を紹介します。タイトル&発売日&題材作品です。[〜]が題材となった文学作品です。リンク先にて詳細紹介&感想を・・・。

本編(全8巻)

                       (1)”文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ)            2006/4/28    [人間失格/太宰治]

                                                                   (2)”文学少女”と飢え渇く幽霊(ゴースト)                  2006/8/30    [嵐が丘/エミリー・ブロンテ] 

                                                                   (3)”文学少女”と繋がれた愚者(フール)                   2006/12/25  [友情/武者小路実篤]

                       (4)”文学少女”と穢名の天使(アンジュ)                    2007/4/28     [オペラ座の怪人/ガストン・ルルー]

                       (5)”文学少女”と慟哭の巡礼者(パルミエ―レ)        2007/8/30    [銀河鉄道の夜/宮沢賢治]

                       (6)”文学少女”と月花を孕く水妖(ウンディーネ)       2007/12/25 [夜叉ケ池、 草迷宮、外科室/泉鏡花]

                       (7)”文学少女”と神に臨む作家(ロマンシエ)<上> 2008/4/28    [狭き門/ジッド]

                       (8)”文学少女”と神に臨む作家(ロマンシエ)<下> 2008/8/30    [狭き門/ジッド]


外伝(全4巻)

<<1巻に複数の話が収録されており、それぞれに題材作品があります。(1)〜(3)は続きモノで、(*)は別モノです>> 

                               (1)”文学少女” 見習いの、初戀(はつこい) 2009/4/30

                                ・”文学少女”見習いの、初戀(はつこい) [デミアン/ヘルマン・ヘッセ]

                                ・”文学少女”見習いの、心中(しんじゅう) [曽根崎心中/近松門左衛門]

                                 (2)”文学少女” 見習いの、傷心(しょうしん) 2009/12/26

                                ・”文学少女”見習いの、傷心(しょうしん) [みずうみ/テオドール・シュトルム]

                                ・”文学少女”見習いの、怪物(かいぶつ) [フランケンシュタイン/メアリー・シェリー]

                               (3)”文学少女” 見習いの、卒業(そつぎょう) 2010/8/30

                                ・”文学少女”見習いの、寂寞(せきばく) [こころ/夏目漱石]

                                ・”文学少女”見習いの、卒業(そつぎょう) [桜の園/アントン・チェーホフ]

                              (*)半熟作家と”文学少女” な編集者(ミューズ) 2011/5/11

                                ・半熟作家と”文学少女”な編集者(ミューズ) [伊勢物語/作者不明]

                                ・半熟作家とスキャンダルな淑女(スカーレット) [風と共に去りぬ/マーガレット・ミッチェル]

                                ・半熟作家と空騒ぎの学友達(スカーレット) [ハムレット/ウィリアム・シェイクスピア]

                                ・半熟作家とページを綴る”文学少女”’(ディアーズ) [伊豆の踊り子/川端康成]


短編集(全4巻)

<<その名の通り短編集です。いろんなキャラの物語が綴られています。各話に題材作品があったりなかったり・・・。>>

(1)”文学少女”と恋する挿話集1

(2)”文学少女”と恋する挿話集2

(3)”文学少女”と恋する挿話集3

(4)”文学少女”と恋する挿話集4

 

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